腰痛の85%が原因不明は古い情報?非特異的腰痛とは
非特異的腰痛とは
腰背部の痛みを呈し、腰部に起因するが下肢に神経根や馬尾由来の症状を含まないもの
医師の診察および画像の検査(X 線や MRI など)で腰痛の原因が特定できるものを特 異的腰痛、厳密な原因が特定できないもの(厚生労働省)と定義されています。
分かりやすく説明するなら、神経痛、しびれ、麻痺といった神経の症状や、尿閉や尿・便失禁、性機能障害などの症状のない腰痛のことです。
原因のはっきりとしない腰痛に大きく影響することは
【心因的な要因】
と、広く理解されるようになりました。
もしかして心配のし過ぎ?心因的な要因とは?
2007年に提唱された
恐怖回避思考の悪循環が非特異的腰痛に大きく影響していると報告されました。
恐怖回避思考とは
ヘルニアと言われたから腰痛と付き合わないといけない
コルセットがないと外出できない
腰が痛いから草抜きが出来ない
このように、痛みを過度に恐れる結果、痛みを避けるように過度に活動を制限してしまっている状態をいいます。
痛みがあっても旅行ができた!
そのように思考を変えて、活動的な生活を送ることが非特異的腰痛を改善する大切なポイントだと報告されています。
腰痛の85%は原因不明(腰痛診療ガイドライン2012年)
85%は病理解剖学的に正確な診断を行うことは不可能だ
2012年の腰痛診療ガイドラインにこのような記載があり
腰痛の多くは原因不明!
という情報が独り歩きして、多くの治療院や整体院のHPでも
未だそのような記載をしているところを見かけます。
未だ、と書いたのはもちろんその後ガイドラインが改定されたわけですね。
2012年の段階では、腰痛の多くは原因を特定することが難しかったため
非特異的腰痛ということばを一般的にも耳にするようになりました。
もし、あなたが腰を痛めてしまって治療院や整体院に行った際に
【85%は原因不明なんですよ】
このように説明をされたら、ん?と疑ってみてもいいかも分かりませんね。
非特異的腰痛は22%に過ぎない(腰痛診療ガイドライン2019年)
2012年の診療ガイドラインでは、85%が原因不明とされていたものが、
原因不明の非特異的腰痛は22%に過ぎない
このようにガイドラインに記載されました。
前回のガイドラインから大きく変わった内容に、私も非常にショッキングだったのをいまでも覚えています。
2019年のガイドラインによると
筋肉・関節を原因とする腰痛が40%を占める
とされていることから、筋肉や関節へアプローチするトレーニングやリハビリテーションが注目を集めてきました。
腰痛を予防するために大切なこと
これまでの報告・最新のエビデンスを参考にした私なりの考えです。
- 背骨が正しく動く状態にしておくこと
- 安定した体幹作りをすること
- 姿勢を改善すること
- 仕事・作業姿勢を見直すこと
- 過度に腰痛を怖がらないこと
いまのところ、私の答えとしてはこんなところかなと思っています。
この5つの項目をクリアするために、ピラティスが有効なアプローチの1つだと感じています。
長らく腰痛に悩まれていた方も、繰り返しぎっくり腰に悩まされていた方も
ピラティスで身体を正しくトレーニングすることで、腰痛が根本的に解決されたということを経験しています。
長く腰痛に悩まれている方や
腰痛のない生活を送りたい方は、一度ピラティスを試してみてはいかがでしょうか。
次回の記事では、腰痛の原因をもう少し深く説明させていただきます。